2021年5月から、Yahoo!広告にもレスポンシブ検索広告が導入されました。従来の検索広告よりも、さらに検索ユーザーのニーズに沿った広告配信が期待できます。
本記事ではYahoo!レスポンシブ検索広告とはどのような点が従来の検索広告と異なり、どのようなメリットがあるかを紹介します。
また広告主が押さえておきたい利用可能な機能や運用上の注意点も説明します。
Yahoo!レスポンシブ検索広告は、従来の検索広告とどこが異なるのか整理しておきましょう。
Yahoo! 検索広告は、「タイトル」と「説明文」と「表示URL」で構成されています.
タイトルは全角15文字、半角30文字で、説明文は全角45文字、半角90文字まで設定することができます。
レスポンシブ広告では、この「タイトル」と「説明文」を「アセット」と呼びます。従来の検索広告は、タイトルが3本、説明文を2本設定し、配信するものでした。
それが、今回導入されたYahoo! レスポンシブ検索広告は、文字数は従来と同じですが、タイトル最大15本まで、説明文4本までの登録が可能になりました。
レスポンシブ検索広告には主に3つのメリットがあります。
・メリット1:より関連性の高い広告が表示できる
・メリット2:自動的にテストされ、効果の高い組み合わせが表示される
・メリット3:ユーザーが使用するデバイスに最適な形で表示できる
上記3点のメリットについて、簡単に説明します。
レスポンシブ検索広告では、登録した複数の見出しと説明文を自動で組み合わせ、検索クエリと関連性の高い検索広告を表示することができます。
広告主がタイトルと説明文を設定するだけで、自動で最適な広告が検索ユーザーに対して配信されることで従来の拡大テキスト広告よりもユーザーの検索意図に沿った広告表示が期待できます。
広告主がアセットを入稿すると、ユーザーの検索語句に合わせて自動的にテストが繰り返されます。そのテストが反映されて最も効果の高い広告が配信されるようになります。
スマホユーザーの増加と共に、ユーザーが使用するデバイスのディスプレイのサイズは多様化しています。
レスポンシブ検索広告であれば画面サイズに応じて、表示される広告のレイアウトが自動的に最適化されます。
さまざまなメリットのあるYahoo!レスポンシブ検索広告ですが、機能面から見ると従来より使える機能が少なくなっているので注意が必要です。利用できる機能・利用できなくなった機能を整理しましょう。
各種項目 | レスポンシブ検索広告 | 拡大テキスト広告 | |
広告表示オプション | 〇 | 〇 | |
アドカスタマイザー | ー | 〇 | |
埋め込み関数 | キーワードの自動挿入機能 | 〇 | 〇 |
IF関数 | ー | 〇 | |
カウントダウン関数 | 〇 | 〇 | |
地域情報の自動挿入 | 〇 | ー |
広告表示オプションや、IF関数以外の埋め込み関数は、従来同様に利用できます。
埋め込み関数で新しく登場した機能は「地域情報の自動挿入」です。検索を利用するユーザーの所在地や、これまで何度も訪れた地域、関心を示した地域に合わせて地域情報が自動的に挿入されます。
レスポンシブ検索広告に地域情報を自動的に挿入する場合は、アセットに入力する際に、以下のように関数を埋め込みます。
{LOCATION(地域の種別):デフォルトテキスト}
「地域の種別」には、市町村の場合は(City)を、都道府県の場合は(State)を、国の場合は(Country)を挿入します。
【例】
アセット1:{LOCATION(City):神戸市}のレストラン アセット2:神戸牛とフレンチ アセット3:〇〇亭にご予約を |
と入稿したとします。
その場合、ユーザーに合わせて以下のような広告が表示されます。
【広告のタイトル例】
【広告】 神戸市のレストラン|神戸牛とフレンチ |
Yahoo! レスポンシブ検索広告では、アドカスタマイザーおよび埋め込み関数のIF関数が利用できなくなりました。
また「終了まであと〇日」など、検索した日にちに合わせて自動的に表示を変えるカウントダウン関数も、レスポンシブ検索広告では表記の仕方が異なるため、注意が必要です。
・従来のカウントダウン関数
{=COUNTDOWN(“yyyy/mm/dd hh:mm:ss”,”表示言語”,開始日)}
・レスポンシブ検索広告でのカウントダウン関数
{COUNTDOWN(yyyy-mm-dd hh:mm:ss,開始日)}
カウントダウン関数を利用している方は注意してください。
Yahoo! レスポンシブ検索広告を利用する上での注意点を、以下の2点から説明します。
・アセットの登録時に気をつけるべきこと
・Yahoo! レスポンシブ検索広告運用面で気をつけるべこと
アセット登録時には、以下の3点に気をつけてください。
・タイトル内容や類似に気をつけよう
・広告グループごとに1件設定しよう
・できるだけ多くのアセットを入稿しよう
<タイトル内容や類似に気をつけよう>
タイトルは15まで入稿可能ですが、15本もタイトルを考えると、その中で類似するものが出てくる可能性があります。
【例】
タイトル1 子ども向けパソコン教室〇〇
タイトル2 小学生向けパソコン教室〇〇
タイトル3 【子ども向け】パソコン教室〇〇
このように登録してしまうと、訴求内容が重複した以下のような広告が配信される可能性があります。
【広告】 子ども向けパソコン教室〇〇|小学生向けパソコン教室〇〇|【子ども向け】パソコン教室〇〇 |
また、組み合わされたタイトルが主語を持ち、意味を完結させられるかどうかも確かめておく必要があります。
【例】
タイトル1 今なら入会金無料
タイトル2 子どもの「ワクワク」を伸ばす
タイトル3 プログラミングを学ぶなら
「プログラミングを学ぶなら」など主語のないタイトルを登録していると、主語のない以下のような広告が配信される可能性があります。
【広告】 プログラミングを学ぶなら|子どもの「ワクワク」を伸ばす|今なら入会金無料 |
AIは文章を組み合わせた流れまで考慮してくれないため、注意が必要です。
<広告グループごとに1件設定しよう>
レスポンシブ検索広告は1広告グループにつき3件まで設定することができますが、Yahoo! 広告は「広告グループごとに1件」の設定を推奨しています。機械学習による最適化を考えた上で、1件設定するようにしましょう。
<できるだけ多くのアセットを入稿しよう>
最低入稿数は従来と同じ3本ですが、数多く入稿することで機械学習によって関連性の高い広告を表示できるようになります。
ユーザーの心理を考え、なるべく様々な視点からのタイトルを作成しましょう。
Yahoo!レスポンシブ検索広告を運用する上で気をつけたいのは以下の2点です。
①学習期間として約30日が必要
②個々の広告のクリック率だけを追わず、広告グループ全体の成果を確認しよう
①学習期間として約30日が必要
Yahoo!レスポンシブ検索広告は、ユーザーに最適な広告を表示するために、機械学習が行われます。そのために短期間で成果がないからと出稿を取りやめることは、レスポンシブ広告の強みを活かすことができません。
②個々の広告のクリック率だけを追わず、広告グループ全体の成果を確認しよう
Yahoo!レスポンシブ検索広告は、広告単体で成果を見るのではなく、広告グループ全体で評価することが推奨されています。従来の検索広告と比較してクリック率が上がった、下がったと判断するのではなく、広告全体のコンバージョンやインプレッション、クリックなどを総合的に判断することが重要です。
検索レスポンシブ広告は、よりユーザーニーズに適した広告表示を可能にするためのものです。そのために、アセットの登録を行いましょう。
ただ、気を付けておかなければならないことは、これまで検索広告で使用していたタイトルや説明文をそのまま使うと、トラブルが起こるかもしれないということです。アセットのパターンを精査することで、トラブルを防ぐことができます。
適切なタイトルを15本用意することは、最初はむずかしく感じるかもしれません。そのような場合には、広告代理店と相談するのも良い解決策となります。
今回新しく導入されたレスポンシブ検索広告をうまく使いこなし、届けたいユーザーに適切に広告を届けましょう。
運用の際も、最新の最適化機能を駆使し、分析・改善からレポーティングまで一貫してサポート致します。また、自社メディアで年間で約10億円(※2019年3月末時点)の広告出稿を行い、運用ノウハウを蓄積しております。
メディア事業の出稿実績やノウハウを用いて、貴社がご出稿されるWEB広告でパフォーマンス最大化のお手伝いをさせていただきます。