INTERVIEW
インタビュー
- お話を伺った方
- 岩渕 雄大(いわぶち ゆうだい)さま LINEヤフー株式会社 CBカンパニーBD統括本部マーケティングパートナー本部パートナーセールス4部OAセールスチーム
- インタビュアー
- 渡邉 健(わたなべ たける) 株式会社ブレイク・フィールド社 副グループ長
国内のデジタル領域を牽引するLINEヤフー株式会社。LINEとYahoo!という二大プラットフォームを軸に、多様なプロダクトとサービスを展開されています。今回は、その中でも現在特に注力しているプロダクトについて、お話を伺いました。
自己紹介
-まずは岩淵さんの自己紹介からお願いいたします。
LINEヤフー株式会社CBカンパニーBD統括本部マーケティングパートナー本部パートナーセールス4部OAセールスチームに所属している岩渕です。よろしくお願いいたします。
LINEヤフー株式会社 岩渕 雄大 さま
LINEヤフー株式会社の注力プロダクトについて
-貴社が現在注力されているプロダクトについて教えてください。
LINEヤフーでは、「LINE公式アカウント」を中心に据えたビジネスプラットフォーム構想「Connect One構想」を推進しています。
本構想は、LINEヤフーが保有する多様なサービスやソリューションを連携させ、広告・販促・コマース・顧客体験(CX)・DX・データ分析・CRMなどのビジネス活動を、LINE公式アカウントを起点にワンストップで提供することを目指しています。
LINE公式アカウントについて
-サービス開始年度はいつですか?
LINE公式アカウントは、以前は「LINE@」という名称で提供されていましたが、 統合され「LINE公式アカウント」として本格的に運用が開始されたのは2019年頃です。 LINE自体のサービス開始は2011年で、ビジネス向けの公式アカウントサービスとしては、2012年頃から徐々に拡大してきました。
-現在の利用者数を教えてください。
日本国内におけるLINEアクティブユーザーはMAU9,800万人以上で多くのユーザーが日常的にLINEを利用しています。 またLINE公式アカウント自体の開設数も年々増加しており幅広い企業や団体にご活用いただいております。
-LINE公式アカウントの強みは何になりますか?
「LINE」のトークルームから、店舗や企業のアカウントの友だちになったユーザーに対して、メッセージを届けることができます。「圧倒的なリーチ力」と、コミュニケーションアプリの特徴を活かした「One to Oneコミュニケーション」により、効率良くユーザーとの深いつながりを実現することが可能です。
-どのようなシーンでよく利用されていますか?
主に以下のようなシーンでご活用いただいております。
・1to1コミュニケーションツールの特徴を活かし新商品やイベント情報などの告知を行う
・クーポン配布に夜顧客誘導や・購買促進
・LINEミニアプリの機能でモバイルオーダーや会員証などのDX文脈での利活用
・顧客サポートや問い合わせ対応などのCRM
-メール配信とよく比較されると思いますが、メール配信よりも優れていると感じるポイントはどのような点でしょうか?
LINEメッセージは、メールよりも即時にユーザーに届きやすく、開封率が高い傾向があります。ユーザーはLINEを日常的に使用しているため、メッセージが届くとすぐに確認することが多いです。 また、ユーザーの属性や行動に基づいてターゲティングを行うことができます。これにより、より効果的なメッセージ配信が可能です。
-2025年3月に、チャットProオプションをリリースされたと思いますが、このオプションを使用することでどのようなことが期待できますか?
1.トーク履歴を最大5年間保存&ダウンロード可能
無料プランでは6ヶ月で削除されるトーク履歴を、最長5年間保存可能です。履歴をダウンロードできるため、他ツールへのバックアップも容易です。
2.柔軟なタグ管理で顧客対応を効率化
作成できるタグの数が300個まで大幅に増加。1チャットルームに付与できるタグの数も大幅アップし、より効率的な顧客管理が可能になります。
3.より多くのノートで対応履歴を記録・共有
ノートを1000件まで保存可能。対応履歴の細かな記録やスタッフ間での共有に便利です。
4.オプション専用機能で顧客管理がスムーズに
問い合わせ受付や商談中など、状況に応じたフィルターをカスタマイズ可能。チーム全体で顧客状況を一目で把握し、円滑な運用を実現します。
LINE公式アカウントのマーケティング活用方法について
-オススメのマーケティング活用方法について教えてください。
1.LINE公式アカウントと広告の連携
・友だち追加広告
LINE広告を利用して、ターゲットユーザーに友だち追加を促すことができます。これにより、LINE公式アカウントの友だち数を増やし、メッセージ配信の効果を高めることができます。
・オーディエンスの共有
LINE広告で作成したオーディエンスをLINE公式アカウントでのメッセージ配信に利用することが可能です。これにより、広告で興味を持ったユーザーに対して、よりパーソナライズされたメッセージを送ることができます。
2.メッセージ配信の活用
・ステップ配信
友だち追加後のユーザーに対して、段階的にメッセージを配信することで、ユーザーのエンゲージメントを高めることができます。特定のオーディエンスを対象にしたステップ配信も可能です。
・リッチメッセージ・リッチビデオメッセージ
視覚的に訴求力のあるメッセージを配信することで、ユーザーの興味を引きつけ、クリック率を向上させることができます。
3.クーポンやショップカードの利用
・クーポン配信
LINE公式アカウントを通じてクーポンを配信し、ユーザーの来店や購入を促進します。クーポンの利用状況を分析することで、効果的なプロモーションを実施できます。
・ショップカード
ポイントカード機能を利用して、ユーザーのリピート率を高めることができます。特定の店舗で共通化したショップカードを利用することも可能です。
4.データ分析と改善
・友だち追加経路の分析
どの経路から友だち追加が行われたかを分析し、効果的なプロモーション経路を特定します。
メッセージのインプレッションとクリック率の分析: 配信したメッセージの効果を分析し、次回以降の配信に活かします。
-より成果を上げるためにユーザーとのコミュニケーションをどのように設計すればよいですか?
1.ユーザーの興味・関心に基づく表示
興味・関心が高いと判定される投稿が優先的に表示されることがあります。これを活用し、ユーザーの興味を引くコンテンツを提供することが重要です。
2.メッセージ配信の最適化
ステップ配信を活用し、ユーザーの行動に応じたタイミングでメッセージを送信することで、エンゲージメントを高めることができます。
配信メッセージの内容やタイミングをテストし、最適な配信戦略を見つけることが重要です。
3.リッチメニューやリッチメッセージの活用
リッチメニューやリッチメッセージを活用して、ユーザーが簡単に情報にアクセスできるようにすることで、ユーザー体験を向上させることができます。
4.オーディエンスのセグメンテーション
ユーザーの行動データをもとにオーディエンスをセグメント化し、ターゲットに合わせたメッセージを配信することで、よりパーソナライズされたコミュニケーションが可能になります。
5.フィードバックの収集と改善
ユーザーからのフィードバックを積極的に収集し、サービスやコミュニケーションの改善に役立てることが重要です。
-LINE公式アカウントでは、友だちをいかに多く集めるかも重要なポイントの1つだと思いますが、友だちを増やすための効果的な施策について教えてください。
1.友だち追加広告
ターゲットを絞って効率的に友だちを獲得できます。
2.自社メディアやSNSの活用
ウェブサイトやブログ、店舗でのプロモーション、InstagramやTwitterなど他のSNSからの誘導や、オフラインでのQRコード掲示:店舗のPOPやレシート、名刺などで加入を促すことも有効です。
3.プロモーションスタンプ
広告主様が自社のオリジナルLINEスタンプを、LINEアプリ内経由で無料提供できる広告商品です。
ダウンロードされたスタンプが、ユーザー間のコミュニケーション内で活用されることで、企業プロモーションにつながります。またLINE公式アカウントの友だち数の増加にもつながります。
-LINE公式アカウントは特にどのような業界で効果をあげていますか?
LINE公式アカウントは、さまざまな業界で効果を上げています。特に以下の業界での活用が進んでおります。
・小売業
クーポン配信や新商品の案内を通じて、顧客の来店を促進しています。リッチメニューやメッセージ配信を活用して、顧客とのコミュニケーションを強化しています。
・飲食業
クーポンやキャンペーン情報を配信することで、来店促進やリピーターの獲得に役立っています。また、予約機能を活用して、顧客の利便性を向上させています。
・美容・健康業
予約機能やクーポン配信を通じて、顧客の来店を促進し、リピーターを増やしています。LINEを通じた簡単な予約や問い合わせ対応が顧客満足度を高めています。
・エンターテインメント業界
イベント情報やチケット販売の案内を行い、集客を図っています。LINE公式アカウントを通じて、ファンとのコミュニケーションを深めています。
・金融業界
キャンペーン情報や新サービスの案内を行い、顧客との接点を増やしています。LINEを通じた簡単な問い合わせ対応が顧客の利便性を向上させています。
-LINE公式アカウントを使ったマーケティングの成功事例を教えてください。
・友だち追加広告の活用
友だち追加広告を利用して、特定の経路で友だち追加したユーザーを対象にしたオーディエンスを作成し、抽選クーポンを配信することで、友だち追加した人の中から抽選でプレゼントを行うことが可能です。この方法により、ユーザーのエンゲージメントを高めることができます。
・LINEログインの活用
LINEログインを活用することで、ユーザーの属性情報を基にしたターゲティングが可能になります。これにより、より精度の高いマーケティング施策を実施することができます。
・プロモーションスタンプの活用
プロモーションスタンプを利用したキャンペーンは、ユーザーの友だち追加を促進する効果があります。特に、ID連携を促進するミッションスタンプは、ユーザーのエンゲージメントを高めるための有効な手段です。
・リッチメニューの活用
リッチメニューを活用することで、ユーザーに対して多様な情報を提供し、エンゲージメントを高めることができます。特に、実店舗とオンラインストアの両方でリッチメニューを活用する事例もあります。
・LINEタグの活用
INEタグを活用することで、ウェブトラフィックのオーディエンスを作成し、ステップ配信を行うことができます。これにより、ユーザーの行動に基づいたターゲティングが可能になります。
これらの事例は、LINE公式アカウントを活用したマーケティング施策の一部であり、企業のニーズに応じて様々なカスタマイズが可能です。

Yahoo!広告へのオーディエンス連携について
-2025年1月22日に、LINE公式アカウントのオーディエンスデータをYahoo!広告に連携できるようになりましたね! この機能によって、どのようなマーケティング施策が可能になりましたか?
1. 既存顧客へのアプローチ(LTV最大化・リピート促進)
自社で保有する顧客情報(CRMデータ)やサイト訪問履歴をYahoo!広告と連携させることで、顧客のステータスに応じたアプローチが可能になります。
2. 精度の高い新規顧客の獲得
優良顧客のデータやLINEの友だちデータを活用することで、確度の高い見込み客へ効率的にアプローチできます。
3. LINEと連携したクロスプラットフォーム戦略
LINE公式アカウントやLINE広告で得たオーディエンスデータをYahoo!広告で活用できるようになり、プラットフォームを横断した一貫性のあるアプローチが可能になりました。
-オーディエンス連携による成功事例があれば、教えてください。
・オーディエンスの活用
LINE公式アカウントで作成したオーディエンスをYahoo!広告に連携することで、よりターゲットを絞った広告配信が可能になります。これにより、広告の効果を高めることが期待できます。
・クロスターゲティングの利用
ビジネスマネージャーを活用して、LINE公式アカウントとYahoo!広告のオーディエンスを共有することで、広告のターゲティング精度を向上させることができます。
・データの一元管理
LINE公式アカウントとYahoo!広告のデータを一元管理することで、広告戦略の最適化が図れます。これにより、広告のROI(投資対効果)を向上させることが可能です。
・実施のためのステップ
ビジネスマネージャーを利用してオーディエンスを共有する際には、LINE公式アカウントとYahoo!広告のアカウントをビジネスマネージャーに接続し、オーディエンスを公開する必要があります。
LINE公式アカウントの今後の展望
-LINE公式アカウントの今後の展望について教えてください この機能によって、どのようなマーケティング施策が可能になりましたか?
LINEヤフーが保有する多様なサービスやソリューションを連携させ、広告・販促・コマース・顧客体験(CX)・DX・データ分析・CRMなどのビジネス活動を、LINE公式アカウントを起点にワンストップで提供することを目指しています。
広告主へのメッセージ
-広告主に伝えたい、貴社からのメッセージがあれば教えてください。
LINE公式アカウントは、新規顧客の獲得はもちろん、一度つながったお客様との関係を深め、LTV(顧客生涯価値)を最大化するための最も効果的なソリューションの一つです。
無料のフリープランから手軽に始めることができますので、まずは『未来のお客様とつながる窓口』として、ぜひ一度お試しいただければと思います。導入から効果的な活用方法まで、私たちLINEヤフーが全力でサポートさせていただきます。
企業情報:LINEヤフー株式会社

- インタビュアー 渡邉 健(わたなべ たける)2013年にブレイク・フィールド社に入社。 金融、BtoB、教育事業、人材のクライアント様を中心に営業・広告運用担当者として、WEBプロモーション全体の改善に着手。 趣味は映画観賞、ゲーム、フレンチを食べること。
- インタビュアー 渡邉 健 (わたなべ たける)
2013年にブレイク・フィールド社に入社。 金融、BtoB、教育事業、人材のクライアント様を中心に営業・広告運用担当者として、WEBプロモーション全体の改善に着手。 趣味は映画観賞、ゲーム、フレンチを食べること。
