Googleは2021年8月31日、2022年6月30日以降、拡張テキスト広告の作成と編集を停止することを発表しました。2月に発表された「レスポンシブ検索広告をデフォルトにする」という決定を、1歩先に進めたことになります。
拡張テキスト広告の配信自体は、2022年6月以降も継続されますが、広告運用者は今後の動向について、注意が必要です。本記事では現段階で広告運用者が対応すべきこと、検討すべきことを説明します。
Google 広告は2021年2月、レスポンシブ検索広告が検索キャンペーンの新しいデフォルト広告タイプとなることを発表しました。
レスポンシブ検索広告は、ユーザー1人ひとりに合わせて機械学習によって自動的に識別された広告見出しと説明文が組み合わされて、ユーザーに最適な広告が表示されるというものです。
その半年後、今度は拡張テキスト広告の作成と編集の停止が発表されました。その背景には、Google 広告側が、レスポンシブ検索広告のさらなる浸透を図ったためではないかと考えられています。
レスポンシブ検索広告が実装されて数年になりますが、広告運用者によっては、以下の理由からレスポンシブ検索広告の導入を見合わせるケースも見られました。
・拡張検索広告の方がフレーズ別の数値を見ることができる
・拡張検索広告の方が広告をコントロールしやすい
今回の発表は、これまでレスポンシブ検索広告を利用したことのない広告運用者にも、導入をうながすものとなっています。
2022年6月30日以降、拡張テキスト広告がどうなるか、以下の3つの疑問点を中心に説明します。
疑問点①:拡張テキスト広告の新規作成はまったくできないのか?
疑問点②:既存の拡張テキスト広告はどうなるのか?
疑問点③:電話専用広告と動的検索広告はどうなるのか?
疑問点①:拡張テキスト広告の新規作成はまったくできないのか
Google 広告の検索キャンペーンでは、2022年6月30日以降は拡張テキスト広告を新しく作成することはできなくなります
疑問点②:既存の拡張テキスト広告はどうなるのか?
既存の拡張テキスト広告に対しては、2022年6月30日以降は継続配信・一時停止・再開・削除は可能ですが、編集はできなくなります。また、継続配信がいつまでされるのか、また、いつ停止されるのか、停止される予定はないのかについては、明確には言及されていません。
疑問点③:電話専用広告と動的検索広告はどうなるのか?
拡張テキスト広告で作成されている電話専用広告と動的検索広告については、従来通り、作成することも編集することも可能です
広告運用者は2022年6月30日までに、レスポンシブ検索広告を準備し、ある程度のパフォーマンスを上げられるようにしておく必要があります。
その準備として、以下の3点を実施しましょう。
①既存の拡張テキスト広告の中から成果の高いクリエイティブを選ぶ
②「広告の有効性」が「最良」になるよう改善する
③部分一致キーワードとスマート自動入札を組み合わせて利用する
「広告の有効性」が「非常に良い」になるよう改善する
レスポンシブ検索広告には、「広告の有効性」という機能があります。
「広告の有効性」とは、Google 広告が自動的に判断した指標で、広告クリエイティブの品質を確認するためのものです。すでに運用している広告を評価することもできるし、作成中にチェックすることもできます。
「広告の有効性」を利用すると、広告クリエイティブに対して「平均的」や「優良」などの評価が出されるとともに、どのように改善したら良いか、フィードバックと改善を行うためのURLが表示されます。その案内に従って、「非常に良い」と評価されるまで広告クリエイティブの改良・改善を行いましょう。
部分一致キーワードとスマート自動入札を組み合わせて利用する
Google 広告は「レスポンシブ検索広告に部分一致キーワードとスマート自動入札を組み合わせる」ことを推奨しています。
Google 検索広告ではさまざまな入札方法がありますが、スマート自動入札は機械学習とシグナルに基づいてオークションごとの自動入札の調整を行ってくれるものです。
スマート自動入札に部分一致を組み合わせることで、より関連性の高い検索語句を見つけやすくなり、機械学習による最適化までの時間短縮が可能になります。
レスポンシブ検索広告一本化への準備を進めよう
2021年8月末の発表は、Google 検索広告が将来的にレスポンシブ検索広告に一本化する方向に、大きく舵を切ったものと考えることができます。
現状では拡張テキスト広告は引き続き配信されるとアナウンスされていますが、将来的にはどうなるかわかりません。また、7月から編集することもできなくなるため、改善することも不可能です。そのために、今すぐレスポンシブ検索広告運用の準備を始めましょう。
また、部分一致キーワードとスマート自動入札の組み合わせなど、実際の調整には十分な理解が必要とされます。最初からより高いパフォーマンスを引き出すために、広告代理店に相談することもご検討ください。
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