Googleリスティング広告にはスマート自動入札機能が用意されています。自動で入札単価が設定され、かつ配信の調節まで行ってくれるので効率の良い宣伝・広告戦略が可能となりますが、スマート自動入札にもいくつかの種類がありますのでそれらをご紹介すると共に、メリット・デメリットについても解説していきます。
スマート自動入札は主に目標コンバージョン(CPA)単価、拡張クリック単価、目標広告費用対効果、コンバージョン数の最大化、コンバージョン値の最大化の5種類に分類できます。それぞれ特徴を見てみましょう。
目標としているCPAでコンバージョンを獲得するために自動的に入札単価を設定してくれます。コンバージョンを効率重視で増やしたい場合に効果的な手法です。
手動設定で入札単価を設定する戦略です。
コンバージョン値を設定している場合こちらの機能が役立ちます。
目標広告費用対効果(ROAS)達成を最重要視する場合に効果的な手法です。
予算を最大限使用し、かつコンバージョン数を増やすために入札単価が自動で設定されます。こちらはコンバージョンを増やすことを目的としたものです。
指定した予算の範囲内でコンバージョン値の最大化が可能です。自動で最適化される入札単価が設定されるので手間がかかりません。
様々な手法が用意されているスマート自動入札のメリットは主に下記の3種類と考えてよいでしょう。
自動で行われるので、わざわざ手動で設定する必要がありません。リスティング広告に関しての手間の削減が可能なので、他にリソースを割くことが可能です。細かい数値設定等も不要なので、リスティング広告をほぼ「半自動」にて運用可能です。また、手間の削減は作業効率化のみならず、人的コストのカットも可能です。少ない事業所であれば新たに人を雇用する必要がありませんし、多くの人員を雇用している事業所であれば省力化など、人件費抑制もメリットとして挙げられます。
配信に関しても効率化が可能です。人間が自分の意思で設定するよりも、より効率の良い形での配信を行いますので、手間がかからないだけではなく、配信効率も改善します。特にリスティング広告はタイミングも重要です。いつ配信するのかによって、獲得効率は大きく異なりますが、スマート自動入札に任せることで、ベストのタイミングでの配信を可能としますので、人間の作業よりも高い効果が期待できます。
スマート自動入札はGoogleのAIによるものです。高い技術を有しているだけではなく、今後の進歩も予想されますし、Googleに蓄積されている膨大なデータから瞬時に最適解を提案・実行してくれます。これらは、人間の力では実現が難しいことでしょう。しかし、AIであれば可能です。ましてやAIは今後もGoogleの技術力と共に進歩を遂げますので、より高度な予測・実践が可能となるでしょう。
スマート自動入札にはデメリットもあります。メリットだけではなく、デメリットも含めて特徴を正しく把握しておきましょう。
スマート自動入札はGoogleのAIによる自動システムです。そのため、ある程度データが必要です。蓄積されたデータから最適解を導くものなので、蓄積されているデータが多ければ多いほど、正確性が高まります。逆に蓄積されているデータが少ない場合、少ないデータの中からの最適解となりますので、正確性が低下します。作成したばかりのアカウントのように、まだまだ十分なデータが揃っていない場合、スマート自動入札よりも手動の方が確実性が高いケースもあります。
より精度の高い自動入札を求める場合、最も重要視されるのは、コンバージョン数です。過去のコンバージョン数を元に様々な数値設定が行われますので、十分なデータ蓄積がない場合、GoogleのAIも最適化の精度が低くなります。ちなみに推奨データとしては過去30日で30回のコンバージョン数獲得で、より精度の高いものを求めるのであれば過去30日で60回のコンバージョンとされています。つまり、この数値を満たしていない場合、精度が落ちてしまいます。
過去のデータを元に自動で行われる自動入札は、イレギュラー案件に気を付けなければなりません。
例えば過去、セールを行ったことで期間限定的にコンバージョン数が急上昇した場合、その数値も参考にしてしまうので現実味のない数値を設定されてしまう可能性もあります。
セール期間を設定するなどして対処しましょう。
スマート自動入札は効果的に活用することで人間以上の効果が期待できます。一方で、デメリットもあります。特にデータの蓄積量によって左右される点は、新規事業者にとっては少々高いハードルになってしまうことでしょう。蓄積データが多ければ多いほど、スマート自動入札の精度が高まるので、既にこれまでに多くのデータを持っている事業者であれば、スマート自動入札をすぐにでも試してみると良いでしょう。まだまだデータの蓄積量に自信がない場合、果たして本当に有効なのかを見極める必要があります。
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